はじめに
廃棄物を取り巻く社会情勢は、各種リサイクル法の施行により、ごみの分別・減量化による排出抑制及び資源化が推進され、循環型社会に向けた処理システムが構築されつつあります。
ごみ焼却施設におきましても、施設からの排出ガス中の有害ガス、特にダイオキシン類の排出濃度規制がされました。 これに対し、西濃環境整備組合では国の規制値より更に厳しい組合の基準値を設定し、平成11年度から15年度にかけて既存施設の改造及び溶融炉の建設を実施しました。
この結果、ごみは高温溶融することによりスラグやメタルに形を変え、土木建設資材として全量を再利用することができ、従前の灰の埋立処分量も半減いたしました。
平成28年3月には一般廃棄物最終処分場も完成し、ごみの焼却から灰の埋立まで自己完結できる体制を整えることができました。
平成30年3月には焼却炉3炉の延命化工事も完了し、今後も安定したごみ処理を行う体制を整えることができました。
また、ごみ焼却時の余熱は回収し、温水プールや施設内の給湯や冷暖房に利用しています。
このように、組合としてごみの減量を推進し、排出されたごみを安全且つ衛生的に処理します。 そして資源活用を図り効率的な運営に努め、地域住民の皆さんに安心して暮らせる環境と当組合の特性を生かした福祉を提供してまいります。
組合の歩み
当組合は、昭和45年に岐阜県西濃地域の広域行政の一環として、揖斐郡大野町下座倉地内に一部事務組合として設立し、昭和46年よりごみ焼却施設を竣工し、ごみ処理業務を開始した。
平成6年からは温水プールを併設し現在に至っている。
一部事務組合とは
一部事務組合とは、市町村の事務の一部を共同処理するために設立される法人格をもつ団体で、市町村が普通地方公共団体と呼ばれるのに対し、特別地方公共団体と呼ばれます。 ひとつの市町村では対応できない、あるいは広域で取り組んだほうが効率的であるなどの理由により、地方自治法第284条第2項の規定に基づき設置されるものです。
一部事務組合で処理される事務の例として、ごみ・し尿処理、病院、火葬場、消防などが挙げられます。
組合構成市町
当組合は、大垣市、瑞穂市、本巣市、安八郡(神戸町、輪之内町、安八町)、揖斐郡(揖斐川町、大野町、池田町)及び本巣郡(北方町)の3市7町(以下「各市町」という。)によって構成され、それぞれの地域住民から発生する一般廃棄物(可燃ごみ)の処理を行っている。
組合管内人口(令和6年4月1日現在)
大垣市 | 51,042 (157,489) |
安八町 | 14,427 |
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瑞穂市 | 56,274 | 揖斐川町 | 18,892 |
本巣市 | 32,956 | 大野町 | 21,668 |
神戸町 | 18,290 | 池田町 | 22,659 |
輪之内町 | 9,200 | 北方町 | 18,575 |
合計 | 263,983 |
大垣市は、宇留生・中川・和合・赤坂・青墓・墨俣各地区管内人口を示す。( )は市総数を表す。
共同処理する事務
- ごみ処理施設の設置及び管理に関する事務
- ごみ処理施設の余熱を利用した福祉施設の設置及び管理に関する事務
施設
- 西濃環境保全センター
- 西濃環境整備組合屋内温水プ一ルゆ~みんぐ
- 一般廃棄物最終処分場
組合の課題
廃棄物の排出量増加、質の多様化、不適正処理並びに処理施設の不足など廃棄物にかかる諸問題は、今や地球環境を考える上で最優先して対応しなければならない重要課題となっている。
ア | 当組合構成市町は豊かな自然環境に恵まれており、それぞれの地域住民の生活環境を保全するためには、廃棄物の適正処理を図り、快適な街づくり実現に努めなければならない。 |
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イ | 廃棄物についてはその排出抑制に努めた上で、焼却処理に当たっては熱エネルギーの活用を図るなどリサイクルを推進すべきである。 |
ウ | これからの循環型社会を目指すためには、住民意識の啓発によるごみの減量化、再生利用の促進、資源化の徹底、さらにごみ処理施設の整備を図る等、ソフト、ハード両面からの取り組みが必要である。 |